2018年07月28日

埼玉県H様邸 地松 床板用材 フローリング 天然乾燥材と地松 梁丸太 経年変化

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埼玉県H様邸 奈良県吉野産 地松 赤身勝 化粧無節〜化粧小節 天然乾燥材 床材 フローリング用材の写真を撮らせて頂きました。
H様いわく、納まりを考えて、色の濃い、反りがでやすい松板を玄関より奥に並べたとご解説してくださいましたm(__)m
玄関の式台を上がって、欅の上がり框の横板が弊社の地松 フローリングとなります。

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それでは拡大して見ていきましょう。
仕上がりサイズは 1820×180×35 です。
大工様であるH様のとても器用な手も一緒にアップしておきます(笑)
H様、撮影にご協力して頂きまして、ありがとうございますm(__)m
  
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特注寸法にて2000×200×38で製材したような記憶があります。
奈良県吉野産の地松天然乾燥材 手鉋をかけた木目と松独特の艶(木のツヤ)をご堪能下さい。

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経年変化、更なる自然乾燥による木の縮みでこれだけの隙間ができます。
来年度、弊社の地松 フローリング 天然乾燥材をご使用予定の東海地区S様へどうかご参考にして下さいませ♪

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奈良県産吉野松 天然乾燥材 目細の赤身勝 まるでお寺にいるみたい(笑)
私が手塩にかけて、製材二度挽きした松板 自然乾燥材をこんなに美しく仕上げてくれて、嬉しいな〜♪♪
H様、適材適所に一枚一枚考えながら施工して下さいまして、本当にありがとうございます!!

写真は撮りませんでしたがリビングは全て埼玉県産材 西川杉 天然乾燥材 長さ3640 床板フローリングが使われておりました♪
H様いわく、素足で触れた時は杉の天然乾燥材が一番木のぬくもりを感じるとのことです。
うちの松ちゃんは杉より硬めですからねー、悔しいがそこは仕方ないw

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この写真をよく見ると確かに右側の松板のほうが微妙に反っているのがわかります。
よく見たら目も少し流れているしね。
松の場合、出来る限り完璧な製品を造ろうとしたらドンドン値段が上がってしまうので、そのあたりのバランスというか押し引きがとても難しい。
この反りを出来る限りなくすためにはKD材 機械乾燥するしかありません。

それでも隙間が必ず出来なくなるとは限りません。
フローリング用に完全に動かなくするためには長い間養生したり一旦含水率を5%あたりまで下げてから、外で養生して含水率を10%に上げるなど、様々な方法を各製材所が実験&実践しております。
新建材と対決するためには木の縮み、収縮にどう対応するかが積年の製材所の悩みでした。
今の時代、無垢フローリングを全国に出荷されている製材所はこういった木の縮み、収縮に対応している製材所ばかりになってます。
自然乾燥、天然乾燥のみでは永遠にどうすることもできないテーマの1つでもあります。
それでも私はマイナス点以上のプラスな点があると考えて天然乾燥のみにこだわってやっていきます。

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続いて、差鴨居の木の動き、反り、狂いによる隙間の写真です。
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寸法は 5寸×尺2寸×15尺 です。
これだけ大きな寸法にしてあっても少しだけ隙間ができます。

自然乾燥3年経過の完全天然乾燥材です。
6寸〜6寸5分盤だと中まではなかなか水分が抜けませんからね><
施工してからも徐々に自然乾燥により水分が抜けていきます。
こういった地松の反り、狂いを完全に無くすためには最後に高温機械乾燥もしくは中温機械乾燥をして含水率を20%未満にしなければなりません。

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以前は全く出来てなかった、土壁が完成していました。
竹小舞はH様がご自分で竹を伐って、編んだそうです。
もちろん土壁もご自分で塗ったという彼の全てが詰まったご自宅です。

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上から埼玉県産西川杉×2、奈良県産吉野松梁丸太、岐阜県産松鴨居の見事なコラボレーションです。
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この超赤身勝の奈良県吉野産の地松 丸太梁が一番評判がいいようです。
伐採してからとうに10年くらい経ってると思う。
この子を製材したときが一番堅かったもん(笑)

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友人がブログを読んで、一本100万円くらいするん?と質問が飛んできました。
弊社が売った金額はそんな高くないけれど、H様ご本人は一本100万円以上の松だと思っていらっしゃるかも。
だってここまで仕上げるのにどれだけ長い間、自然乾燥させて、どれだけ削って、命を張って、上棟して、そして今がありますからね。
値段なんてものはその人の価値観でどう思うのかであって、一本100万なんて数字を出してくれるだけ、日本の松をそこまで評価してくれたことに僕個人は嬉しく思いますm(__)m
H様にそのことをご報告したら悦んでくれましたね♪

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H様がお気に入りの地松 超赤身勝 ドス黒い 肥松系の梁 ここまで色が濃くなってました!
直射日光による松ヤニが噴出して、固まっているのがよくわかります。
この松ちゃんは目細 赤身勝 天然乾燥材ですので間違いなくあと300年以上は生き続けるでしょう♪

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だって他の木と比べると色が違いすぎるやん(笑)
可愛いよ可愛いよ、色黒の奈良県産吉野松の肥松ちゃん♪
こんなドス黒い赤身の松、まず見かけないレア松やからね。

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最後に群馬県藤岡瓦の経年変化をピックアップ(^▽^)
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実は後半は自分の家造りのために勉強してたりw
あと僕が興味があるのは断熱材ですね。
H様は床下はウールブレス。
S様は床下はスタイロフォームで周りはウレタン断熱。

屋根はもちろん瓦にするとして藤岡瓦か三州瓦か淡路瓦か迷うわぁ。
ZEHなど全く興味対象にならんが昔の家は冬が寒すぎるので最低限の断熱は必要ですからね。

家のつくりようは夏をもって旨とすべし by 徒然草 兼好法師

H様邸で学んだのはデカイ家じゃなくてよいから
24坪〜30坪の平屋で2400万〜3600万あたりで考えています。
もっと地松で儲けてお金貯めていつかは・・・夢のマイホームですね。


最後にH様へ 古民家改修のお仕事で遠方へ単身赴任中に私が関東訪問予定時に合わせて帰省してくださいまして、本当にありがとうございました!!
いつ来ても桧、杉、松の天然乾燥材がたまりませんね。
化粧梁の天然乾燥材でこんなドデカイ松をたくさん使ってある新築はなかなか見かけることはないでしょう。
また周りの方の反応を教えて頂く機会を楽しみにしております♪♪
素敵なおうちをご紹介させて頂きまして、いつもありがとうございます。
奥様と娘さんにもよろしくお伝え下さい(^▽^)

山崎木材有限会社 代表取締役 山崎 晃司
posted by 山崎木材(有) at 00:20| Comment(0) | 埼玉県H様邸分

2017年03月21日

埼玉県H様邸へ

上棟のお祝いも兼ねまして、埼玉県H様邸の石場建て&構造材の勉強会に参加させて頂きました♪
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石場建ての新築で3月中旬現在は竹小舞を編んでいて、土壁の準備をしているところでした。
金物を一切使わないこだわりの建物なので確認申請のことを考えて平屋建てにしたそうです。
土壁の材料も現在発酵中とのことで全て自然乾燥にこだわった自然素材のみを用いて手作りで家造りをされています。
断熱材は有名な羊毛ウールブレスです。グラスウールは使わないと仰っておりました。

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それではお待たせしました。H様こだわり構造材のご紹介です♪
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まず私が面白いなと思ったのは桧の芯持ちの垂木を通常使われるものよりも大きいサイズにして2尺ピッチ(600mm)で飛ばしています。
これだけで普通の一般住宅には見えません、まるで寺社用材です(笑)

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右上にある込み栓と継ぎ方に注目です。
これはNHK凄ワザの番組内でも紹介された金輪継ぎですよね♪
材料は埼玉ブランドの西川杉をピタリと寸分の狂いもなく継いであります。

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構造材の材料は西川杉と弊社の吉野松をメインに他にも国産桧、国産栗、国産欅(造作材)をまさしく適材適所に配置してあります。
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こちらは玄関框でケヤキの源平材(赤身、白太込み)、もちろん天然乾燥材ですよ♪
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こちらは柱の一部に国産栗を使っているとのことです。
栗は松よりもさらに堅いので長い間、自然乾燥させないと狂いやすいです。

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栗の柱の上に松の赤身勝 目細材 元口は赤身96% どうですかこの表情!!
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ここからは弊社の地松の写真を中心にアップしていきます。
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自然乾燥ならではのダイナミックな芯持ち特有の干割れ(ヒワレ)。
この干割れ(ヒワレ)がどうしても気になる方は背割りをいれるしかありません。
しかし、背割りを入れてしまうと地松の強度、強さ、曲げ強度、ヤング係数が落ちてしまいますので要注意です。

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改めて写真を選別しているとめっちゃええ木ばっかで全部出してまうわ(笑)
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ここまで赤身勝(赤身90%)にするためにかなり削ってくれたんですねm(__)m
H様、弊社の地松を最高の姿に仕上げて下さいまして、本当にありがとうございます!

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米松には出せない重要文化財でよく見かける地松特有の干割れですよねとH様とお話しましたね(笑)
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H様が特にお気に入りの自信作ニ本のうちの一本がこちら。
下にある西川杉の赤身勝 柾目の妻梁 天然乾燥材も美しいですね♪
H様のこだわりでオール国産材でKD材(機械乾燥材)は一切使用しておりません。

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太陽の光によって焼けたように色づいていく吉野産ならではの赤身の色がどんどん濃くなっていく経年変化がたまらないとのことです(笑)
ポイントはオール手鉋をかけたことで、機械加工とは一味も二味も違う地松ならではの木のツヤ、樹脂を感じて欲しいですね♪

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もう一本のお気に入りは玄関に入った一番見えるところに使ってくださった左側のほとんど総赤身に近い地松だそうです。
この子は8.8m 末口Ф380の赤身勝な良材なので一番荷のかかるところにお使い下さいと以前のブログでご紹介させて頂いた子です。
この子はこうやって製材した子やったなぁ、この子は両面ともなるべく均等に赤身がでるように調整した子やったなぁ、この子は末口Ф420あったのにまさかここまで削ってくださるとは(笑)など、製造過程を走馬灯のように思い出しながら、H様のこだわりをたくさん聴かせて頂きました。
めちゃめちゃ楽しかったですよ、実際にこの目でうちの地松の嫁入りを見れて、縁あってあなたに出逢えて本当に良かった、ありがとう♪♪

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ベストショットは次の2枚どちらかな〜。
H様はどの写真がお気に入りですか?

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今ではほとんど見かけなくなった地松 完全天然乾燥材 小節 赤身勝 松鴨居 左右1mmほど動いただけでかなり乾いててめちゃめちゃ堅かったですとご感想頂きました♪
こちらも四面プレナー加工した材を納品させて頂きましたが平角化粧材は全て手鉋で三面仕上げで削り直したという超こだわりようです(笑)

最後になぜ梁用材に弊社の国産アカマツ 奈良県吉野産 赤身勝 天然乾燥材にこだわってくださったのですか?とお伺いすると

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これです。
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群馬県藤岡市発祥の藤岡瓦(別名いぶし瓦)と呼ばれる伝統瓦だそうです。
ピラミッド型のだるま窯で1000℃ほどの温度で瓦を焼くので1300℃以上の高温で焼き締める陶器瓦とは違う、一つ一つ表情が違う独特のいぶし瓦に仕上がるのです。

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先にあるのは薪ストーブでこの藤岡瓦だけで総重量が5トンもあるそうです。
そりゃ杉のKD材(高温機械乾燥材)なんか使ったら、またたく間に垂れるでしょうね。
藤岡瓦の良さは年数が経てば経つほど、経年変化がでてくるとのことで、数年後に再びお邪魔するときがとても楽しみです♪
近畿地区では兵庫県の淡路瓦or愛知県の三州瓦がほとんどですから、藤岡瓦という存在と歴史と伝統を初めて学ばせて頂きまして、ありがとうございます。
ちなみに日本三大瓦とは三州瓦(愛知県)、淡路瓦(兵庫県)、石州瓦(島根県)を指すようです。

建具にはサッシではなく杉の木製建具を使います。
ここまで見たら分かると思いますが建築費のうち材料費がかなりのウェイトを占めるとのことです。(そりゃそうだ 笑)
その中で弊社の地松 奈良県吉野産 赤身勝 天然乾燥材をご選択して下さいましたこと、遠方より二度も三重県までお越し下さいまして、心より感謝申し上げますm(__)m
「自分が欲しかった理想のアカマツを扱えることができて、とても満足しています!」
H様よりとてもありがたい言葉をかけて頂き、私のほうこそ、手間暇をかけて自然乾燥させた地松をさらに手間暇をかけてこんなにも美しく削って頂き、感無量です!!
写真撮って思いましたけど、新築なのに古民家風ということで新古民家と勝手に呼称させて頂きます(笑)

最後に大阪府N様へ H様のお家をずっと見たい見たいとご要望してくださいまして、ありがとうございます。
かなりお待ち頂きましたのでたくさん写真をアップしましたよ♪
H様より関東にお越しの際はいつでも寄って下さいとのことです(笑)
さて3人のストーリーはここで一旦閉じることとなります。
お二人のような素晴らしい大工様と出会ったことで私自身に大きな自信と勇気を与えて下さいました。
自分もお二人のように関わって下さった方に大きな力を与えられるようにこれからも切磋琢磨しながら精進していきますm(__)m
弊社の地松 自然乾燥材 赤身勝をお買い上げ頂きまして、誠にありがとうございます!!
posted by 山崎木材(有) at 21:36| Comment(0) | 埼玉県H様邸分

2017年03月17日

18日より20日まで

明日18日より20日まで3日間、関東出張に行って参ります。
会社にお電話頂きますと私の携帯に転送するように設定しておきますので、関係者の皆様よろしくお願い致します。

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無事に地松製品 天然乾燥材も積み込みまして、関東に向けて出発します!
出張テーマは関東地区における石場建ての勉強会といったところでしょうか(笑)
それでは皆様、天気の良い三連休楽しい時間をお過ごし下さい♪
posted by 山崎木材(有) at 19:36| Comment(0) | 埼玉県H様邸分